ウクライナがNATO加盟断念?東部ドンバスとクリミアは分割か
こんにちは。
最近、ロシア軍の蛮行が日に日にエスカレートして居ます。ロシアに蹂躙されるウクライナを裏目に名目上支持するも、ポーランドの武器支援案を拒否するなどの行動が目立ちます。
また、ロシアの友好国である中国は予想通りロシアの侵攻を正当化し、ロシアとの貿易を通常通り行うと公式に発表しています。
NATOは事の発展を恐れ、無闇に手を出さない様にしている様です。それは良いことかもしれませんが、ウクライナの事を考えるとなんとも言えません。
今日はそんなロシアとウクライナについて、他ではまとまった解説がない、なぜロシアとウクライナの関係はここまでこじれたのかと言う事について説明していきたいと思います。
ロシアは何故ウクライナに?
ロシアを含む旧共産圏はワルシャワ条約機構と呼ばれる東側版NATOと呼ばれる組織を結成しました。しかし、ソ連崩壊によりワルシャワ条約機構は解散し、ロシアはNATO側に東方不拡大を求めました。この時が問題になったのです。
NATOは書面でなく口頭で東方不拡大の原則に同意し、ロシア側はその案で妥協しました。(ソ連崩壊直後で国際情勢に気を配れる状況でなかった)
しかし、NATOは東方拡大を続け、旧ソ連であったバルト3国までNATOに加盟する事態となりました。そうすれば残るのはベラルーシとウクライナです。
ベラルーシは親ロシアの独裁政権(ルカシェンコ政権)なのでロシア側に取って都合はいいですが、ウクライナは欧米寄りの政権(ゼレンスキー政権)なので、ロシア側は憤慨を隠せなかった様です。
ロシアのクリミア侵攻
そうしてロシアはウクライナの欧米色を取り除くため、2014年にウクライナ南部のクリミア半島に侵攻。両者に3000人程度死者が出ましたが、1ヶ月強で一旦落ち着いた状況が戻ってきました。ちなみにクリミア半島とはここにある場所です。
しかし、ウクライナ側も黙っているわけにはいきません。一方的な理由で自国領土で戦争を起こされ、蹂躙されるのですからね。ここで、ロシアはクリミア半島を実効支配(一方的にロシア併合を宣言)し、ここに軍事拠点の建設を開始します。もちろん、ウクライナ当局に許可など得ていません。
それは簡単です。黒海にいるウクライナの船舶などをロシア側が無許可で拿捕し始めるでしょう。もちろんロシアの事ですから、何を言われようが聞き入れるわけがありません。
問題はまだあります。クリミアを親露派武装勢力が不法に占拠したので、クリミア議会の議決で親露派が指導者として選出されました。
ブダペスト覚書
これは1994年にソ連を含む連合国を中心とした数カ国がソ連から独立したカザフスタン・ベラルーシ・ウクライナが核不拡散条約に加盟する代わりに署名国がこの3国に対して安全保障を提供すると言った内容のものです。
ウクライナはこの当時世界第3位の核戦力を保持していましたが、欧米やロシアの安全保障が受けられるとの事で、核兵器を全て廃棄。(ロシアに譲渡)ベラルーシやカザフスタンもそれに続きました。
しかし、実態はこの通りです。連合国は核を廃棄させるだけさせて、ウクライナをNATOとロシアのクッションにし、全てを擦りつけようと考えているのです。
結局ベラルーシは実質ロシアの傀儡なので、ロシアの援助を受けることはできますが(日本からは経済制裁など西側からは厳しい視線だが)、ウクライナはどちらにも侵略されることになりました。
ですから、ミンスク合意の様な紙切れ状態となり、ロシアと西側がウクライナを欺いたという訳です。この件に関してロシアだけを批判する人がいますが、西側にも責任はあると考えます。
今回はロシアとウクライナのイザコザを国際政治学的観点からお伝えしてまいりました。
次回のロシア・ウクライナ関係では軍事的観点からより細かく分析をしていきたいと思っています。
では、この辺で。
ありがとうございました。